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このブログは株式会社トミーウォーカーのPBWゲーム『シルバーレイン』のキャラクター「霧崎真司」及び「霧崎修司」のブログです。霧崎兄弟の日々の記録や背後との対話を載せています。 興味のない方、関係ない方はここで戻ることを推奨いたします。
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※注意※
本日の日記は激しく個人的かつ他の方にはほぼ関係しません。
それでも稚拙な文章を読みたい、という方のみ、続きへどうぞ。
詳しくはまた後日に。
それでは…。

――霧崎神社・本殿――

霧崎神社は静かな住宅地の片隅にある、小さな神社。
周囲の自然に溶け込み、どこか神秘的な雰囲気すら感じさせる。
その中央部…本殿は一際厳かな雰囲気を醸し出していた。

…この日。
真司はある重大な決意を打ち明けるため、本殿に両親を呼んでいた。
傍らには弟の修司。彼もまた、両親に思いを伝えるため、兄と共に本殿へと向かっていた。

「…ふぅ。やっぱり少し気が重い」

真司は隣の弟に呟く様に言った。

「兄ちゃんの気持ちも分からなくはないけど…決めたんでしょ?」

微笑みつつ返す修司。
弟にはいつも助けられるな…と、真司も頷きつつ、笑みで答えを返した。
目の前に見えるは本殿。恐らく両親はもう居るだろう…それは見ずとも分かっていた。


本殿は主に行事に使われる。
それ以外に使われる場合は唯一つ…
『家族間で大切な話があるとき』だった。
真司が両親を本殿に呼び寄せたのも、その理由によって、である。
二人は静かに本殿へと足を進めた。

「来たか。改まって呼ぶなんて珍しいな…それも真司ときた」

第一声を発したのは父、祥一。
笑顔ではあるものの、いつもの父の雰囲気とは少し違っている。
要するに、真剣そのものなのだ。

「私まで呼ばれるとは思わなかったわ。…大事な事、なんでしょうね」

祥一の隣には母、真奈の姿。
変わらない優しい雰囲気。しかし、その奥にはしっかりと話を受ける態勢が整っている。

「ごめんなさい、急な召集で。どうしても父さんと母さんに伝えたい事があって…」
「ボクも。これは二人で相談して決めた事なんだ」

そう、心はもう決まっている。
後は、両親の言葉を待つのみ。

「ふむ、では訊こう。何故、今日私たちを呼んだのかを」

祥一は静かに問う。表情は真剣、まっすぐに二人を見つめている。

「…僕は、もっと見識を広めたい。だから…符術を封印したい。僕が進みたい道…進むべき道を探すために…」

真司は迷い無く答えた。両親をまっすぐに捉えて。

「ボクも同じです。色々と経験してみたい。だから…」

お願いします…と頭を下げる。
…数秒の沈黙。
破ったのは…真奈の声。

「驚いた…まさか先に言われちゃうなんて…」

…え?

「2人とも、顔を上げなさい。大丈夫、心配は要らんよ」

ゆっくりと顔を上げる。そして、二人して戸惑いを隠せない様子だった。
…今、何と言った?
……『先に』言われる…?
………どういう……事?

「ふふ。あなた、説明してあげましょう。私たちが話そうとしていた事を」

「うむ。まず、真司に修司、気にすることは無い。存分にやってくれて構わんよ」

拍子抜け、とはこの事だろうか。
余りにも予想外の展開に、ただただ唖然とするばかり。
…しばらくして、冷静さを取り戻した真司が問い返した。

「でも父さん…僕たち二人とも符術使えなくなるんだよ?せっかく伝授してもらってるのに…」

ふむ…と一呼吸置く。

「確かに、私はお前達に符を教えた。だが、それもあくまで一つの可能性でしかないんだよ」

「可能性?」

「私はあくまで切欠を与えたに過ぎない。それを活かすも活かさぬもお前達次第。そして…お前達がどう判断しようと、私はそれを受け入れるつもりでいたのさ」

驚いたか、とニヤリと笑って見せる父。
……さっきの雰囲気はどこへいったのだろうか。

「もう…。真司、前に言ったわよね?あなたはもっと純粋になりなさい、って。あれは父さんがいつも言っていた事なのよ?」

困ったものね、と少し呆れつつ言う母。
それは意外な真実だった。
母さんは…いや、二人は、そこまで…

「修司、あなたも好きに動いて構わないのよ。色々と世の中を見て…そして素晴らしい人になりなさい」

「……はい!」

心地よい返事が響く。
これでもう、迷う事は無いだろう。

「守ることも大事だ。だが、それ以上に私はお前達の可能性を摘む事はしたくないんだよ」

継いでくれただけでも、私としては嬉しいのだと言う父。
本当はこのままで居て欲しいのだろう。
子が親を受け継いでくれる事ほど、嬉しい事はないのだから…。
だから、真司ははっきりと答えた。

「大丈夫だよ、父さん。すべてを忘れるわけじゃないから。そしていつかきっと…父さんみたいな宮司になってみせるから!」

「嬉しい事言うねぇ…よし、今日は新しい決意を祝して…豪華に行くか?」

はっはっは、と大きく笑う父。
やはりこの人は凄いな…と改めて思わされる。

「さ、行きましょう。今日はあなた達が主役でしょ?」

にこりと微笑み、父の後に続く母。
二人に改めて感謝しつつ、兄弟は新たな道を歩もうとしていた―――。






~~その後~~

「で、本職は何にするのさ兄ちゃん?」

「……巫女」

そこには、盛大にこける弟と猛烈に疑問を持ち始めた兄が居るのだった…。
『宮司見習い』の兄弟達今後に、幸有らん事を。
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